CRA(臨床開発モニター)とは

CRA・臨床開発モニターとは

臨床開発モニターとは、治験が計画通りに実施されるように、治験の計画を伝え、進行中の治験を監視する専門職のことです。CRAとも呼ばれます。

この記事では、CRA(臨床開発モニター)について知りたい方のために、製薬会社の役割、臨床開発や治験の意味、仕事内容、関わる人たち、一日と一週間のスケジュール、なるための方法、年収・キャリア、将来性、良い点・悪い点、よくある質問などを分かりやすくご紹介します。

臨床開発モニターとは 製薬会社の役割 臨床開発とは何か 治験とは何か 仕事内容 関わる人たち 一日と一週間 なるには 年収 良い点・悪い点 キャリア 将来性 よくある質問

臨床開発モニターとは臨床開発モニターとは(CRAとは)

臨床で行われている薬の開発をモニタリングする人です。

臨床開発モニターとは、治験依頼者によって任命され、臨床で行われる薬の開発モニターする職種のこと。

臨床開発モニターとは、治験依頼者(製薬会社等)によって任命され、臨床(人を対象とした医療機関のこと)で行われる薬の開発(ある物質を医薬品にするために、どのような疾患を対象として、どのような医療機関で臨床試験を行うかを計画して実行すること)モニターする(治験が計画通りに実施されるように、進行中の治験を監視すること)職種のことです。CRA(Clinical Research Associate)とも呼ばれます。

CHECKモニタリング/モニターの定義

GCPの第二条で「モニタリングとは、治験が適正に行われることを確保するため、治験の進捗状況並びに治験がGCP及び治験実施計画書に従って行われているかどうかについて治験依頼者が実施医療機関に対して行う調査をいう」と定義されています。

GCPの第二十二条において、「モニタリングに従事する者(以下「モニター」という。)」と定められています。また、GCPの第二十一条において、「治験依頼者は、モニタリングに関する手順書を作成し、当該手順書に従ってモニタリングを実施しなければならない」と定められています。

臨床開発モニターとは

製薬会社とは製薬会社の役割

薬を作ったり売ったりしている会社を製薬会社と言います。

製薬会社とは、医薬品の研究、開発、製造、および販売を行う企業のこと。

製薬会社の多くは、医薬品の研究開発から製造、販売までを一貫して行っています。CRO(開発業務受託機関)とは、製薬会社の臨床開発を支援する企業のことで、CRA(臨床開発モニター)は、製薬会社やCROで勤務しています。

製薬会社とは

治験とは臨床開発とは何か

治験とは薬の候補物質を人に投与する試験のことです。

臨床開発とは、製薬会社や医療機器メーカー、CRO(開発業務受託機関)などが新薬を販売するために必要なデータをそろえる活動のこと。

製薬会社や医療機器メーカー、CRO(開発業務受託機関)などが新薬を販売するために必要なデータをそろえる活動を臨床開発と言います。

臨床開発は、市場調査や開発計画の作成から始まり、試験の立ち上げ、モニタリング、治験薬や医療機器の有効性および安全性の評価、規制当局への承認申請までのさまざまな活動が含まれます。

臨床開発の流れ

詳しくはこちら臨床開発とは?

治験とは治験とは何か

治験とは、新しい薬を開発する際に、厚生労働省から薬としての承認を受けるために必要なデータを収集する臨床試験のこと。

新しい薬を開発するためには、動物で薬の候補となる物質の効果や毒性を調べるだけでなく、人間での有効性(効果)や安全性(副作用)を確認する必要があります。

人間での有効性や安全性について調べる試験を「臨床試験」と呼びますが、その中でも医薬品の承認のために必要なデータを収集する臨床試験のことを「治験」と呼びます。治験は厚生労働省が定めた規則(医薬品の臨床試験の実施基準:GCP)に従って行われます。

治験とは

詳しくはこちら治験とは?

CRA(臨床開発モニター)の仕事内容CRA(臨床開発モニター)の仕事内容

CRA(臨床開発モニター)の仕事内容を解説します。
1.
医療機関の関係者に対して、治験の目的、方法、リスクなどを説明する。
2.
治験が計画通りに実施されているかを監視し、問題が発生した場合には改善策を提案する。
3.
モニタリング報告書を作成し、治験依頼者や医療機関に提出する。

CRA(臨床開発モニター)の仕事内容

CRA(臨床開発モニター)が関わる人たちCRA(臨床開発モニター)が関わる人たち

CRAが主に関わるのは医師とCRCになります。

CRA(臨床開発モニター)が最も関わる人は、治験責任医師とCRC(治験コーディネーター)です。また、製薬会社(CRO)のマネージャーやリーダー、治験分担医師、病院(SMO)のSMA(治験事務局担当者)などとも協力しながら、臨床開発を円滑に進めます。

CRA(臨床開発モニター)と関わる人達

詳しくはこちらCRAの各関係者との調整

CRA(臨床開発モニター)の一日と一週間CRA(臨床開発モニター)の一日と一週間

CRA(臨床開発モニター)の一日を解説します。

CRA(臨床開発モニター)の一日

9:00

12:00
治験の説明
医師や治験コーディネーター(CRC)に治験の説明を行う。
13:00

17:00
モニタリング
治験が計画通りに行われているかを確認する。
17:30

18:00
書類の作成
モニタリング報告書を作成する。

CRA(臨床開発モニター)の一週間

曜日 月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前 会社で会議 会社 会社 病院B(モニタリング) 会社
午後 クリニックA 移動(飛行機) 移動(飛行機)

CRA(臨床開発モニター)になるにはCRA(臨床開発モニター)になるには

CRA(臨床開発モニター)になる方法を解説します。

薬剤師やMRになった後、28歳ぐらいまでにCROへ転職することが中途採用では一般的です。

CHECKCROとは?

CRA(臨床開発モニター)の業務を専門に行っている会社のことです。代表的な会社としてシミックやイーピーエス、IQVIAサービシーズジャパンなどがあります。

CRAの資格

※200名のCRAばんくのクチコミ・アンケート調査データをもとに作成(調査期間:2015年4月~2024年6月、有効回答数:N=200)。(新卒採用を含む)

CRAの資格(未経験/中途採用のみ)

※100名のCRAばんくのクチコミ・アンケート調査データをもとに作成(調査期間:2015年4月~2024年6月、有効回答数:N=100)。(看護師には保健師も含む)

CRAの学歴

※180名のクチコミ・アンケート調査データをもとに作成(調査期間:2015年4月~2024年6月、有効回答数:N=300)。(新卒採用を含む)

CRAになった年齢(中途採用のみ)

※120名のCRAばんくのクチコミ・アンケート調査データをもとに作成(調査期間:2015年4月~2024年6月、有効回答数:N=120)。

CRA(臨床開発モニター)の年収CRA(臨床開発モニター)の年収

CRA(臨床開発モニター)の年収を解説します。

CRA(臨床開発モニター)の平均年収は約619.3万円(調査期間:2015年4月~2024年6月、有効回答数:419人)です。以下は、他職種との比較です。

CRAの年収

※CRAは419名、CRCは290名のCRAばんく・CRCばんくのクチコミ・アンケート調査データをもとに作成(調査期間:2015年4月~2024年6月、有効回答数:N=709)。
※薬剤師・看護師・臨床検査技師は2022年、MRは2018年の賃金構造基本統計調査のデータを独自に加工して作成。

CRA(臨床開発モニター)の良い点・悪い点CRA(臨床開発モニター)の良い点・悪い点

CRA(臨床開発モニター)の良い点・悪い点です。

メリットCRAの良い点

薬剤師
  • 新薬を開発できる
  • 給与が将来的に上がる
MR
  • 結婚後も続けやすい
  • 転勤がない
看護師
  • 夜勤がない
  • スーツで働ける
臨床検査技師
  • 給与が大幅に上がる
  • スーツで働ける

デメリットCRAの悪い点

薬剤師
  • 調剤スキルが衰える
  • 地方で働けない
MR
  • 最初のうちは給与が下がる
看護師
  • 看護スキルが衰える
  • 地方で働けない
臨床検査技師
  • 検査スキルが衰える
  • 高いコミュニケーション力を求められる

CRA(臨床開発モニター)のキャリアCRA(臨床開発モニター)のキャリア

CRA(臨床開発モニター)のキャリアを解説します。

一般職から始めて、7~10年でチームをまとめるリーダーになることができます。その他に、副作用の情報を収集し評価するPV(安全性情報担当者)へ異動したり、病院・SMOへ転職して、治験コーディネーター(CRC)として働く方もいます。

CRA(臨床開発モニター)のキャリア

CRAのキャリアマトリックス

※円の大きさは人数の多さを表す

CRAのキャリアパスについて知りたい方はこちら
CRCのキャリアについて知りたい方はこちら

CRA(臨床開発モニター)の将来性CRA(臨床開発モニター)の将来性

CRO業界は2018年に売上高が初めて前年を下回ったことから、急成長から安定成長へと移行したと言えます。IT化の進展により効率化が進むことから、今後のCRA(臨床開発モニター)の数は現状維持、あるいはわずかに減少すると見込まれています。

CROの売上高と従業員数

※CROは日本CRO協会の会員のみ。
日本CRO協会年次業績報告書をもとに作成。

薬物の治験計画届出件数の推移

PMDAより出典

詳しくはこちら

CRA(臨床開発モニター)のよくある質問CRA(臨床開発モニター)のよくある質問

CRA(臨床開発モニター)のよくある質問と回答です。
Q1
残業はどれくらいありますか?
A1
月平均10~30時間程度です。出張の移動時間も含めると、20~50時間程度になります。
Q2
英語が苦手です。大丈夫ですか?
A2
ほとんどの場合は問題ありませんが、応募先によってはTOEIC700~800点程度の英語力が求められることもあります。
Q3
仕事と家庭は両立できますか?
A3
両立できます。多くの会社では、育休後の復職率は90%を上回っています。
Q4
転職する時に年齢制限はありますか?
A4
CRA未経験者は28歳前後、CRA経験者は50歳前後までが、採用されやすいと言われています。
Q5
CRA未経験者の合格率はどれぐらいですか?
A5
3~5%前後です。

質問CRA(臨床開発モニター)のよくある質問とみんなの回答

Q
CRAとMRはどちらが大変ですか?
A
元MRですが、想像していたよりモニターは内勤業務が多いです。なので、自由に活動していたMR時代が懐かしいです。また、モニターは間違えがあってはならない仕事なので、細かく書類等チェックできる方は向いているかと思います。

MRは数字さえよければ割と自由。

モニターは評価されることはあまりなく、そつなく仕事をこなす仕事という印象です。

向き不向きあると思いますが、精神的にはモニターの方が楽なと思ってます。
Q
外資系CROと内資系(日系)CROの違いを教えて下さい。
A
未経験からCRA(臨床開発モニター)へ転職する場合、外資系か内資系(日系)CROのどちらが良いかを悩まれる応募者が多いようです。私は外資系CRO、内資系(日系)CROのどちらも経験しておりますので、僭越ながら私なりに感じた違いやメリット・デメリットについて説明します。

年収や給与水準は外資系CROのほうが高い傾向があります。内資系(日系)CROにも年収や給与水準が高いCROは存在しますが、少ないと思います。理由はいくつかありますが、やはりグローバルに展開しているクインタイルズなどのCROは競争力が高いため製薬会社に対して強い価格交渉力を持っている点が最も大きいと思います。プリファード契約などの優先契約を交わしていることも多く、高い単価での受注が可能です。他にも外資系は業務の効率化が進んでいるため、CRA(臨床開発モニター)一人あたりの業務効率が高いことも影響していると思います。

それに対して内資系(日系)CROはグローバルにおける価格競争力が弱く、業務の効率化も進んでいません。また、臨床開発以外の業務も幅広く手がけているCROも多いため、どうしても給与水準が低くなりがちです。その証拠に内資系(日系)CROでもリニカルなどの領域集中型のCROは他の内資系(日系)CROよりも高い給与水準を維持しています。

ただし、業務の効率化が進んでいるということは、無駄な作業が少ないことを意味します。事実、外資系CROは業務の効率化を進めるあまり、横の人間関係が希薄になっている部分があります。ラインマネージャーなどの横野つながりをフォローするための担当者も設けたりしていますが、人数不足は否めず細かい点までフォローできていないのが実情です。
Q
国際共同治験(グローバル試験)は普通の治験と何が違うのでしょうか?
A
国際共同治験とは、簡単に言うと「複数の国で統一したプロトコル(治験実施計画書)に基づいて実施する試験」と言えます。

昨今、国際共同治験が盛んである背景としては、ドラッグラグ(いわゆる承認済医薬品の地域間格差)の解消や、1カ国では症例集積が難しい疾患での医薬品開発が多くなってきていることが挙げられます。

統一したプロトコルですから、基本言語は英語で、各種資料や会議を含めて圧倒的に英語を使用する機会が多いでしょう。

FDA(アメリカ), EMA(ヨーロッパ), PMDA(日本)と各国の規制当局間では、データの解釈や申請要件に若干の違いがあり、その点の調整が必要だったりします。

通常の治験は、日本での承認を取得するために計画されていますので、日本の実情にあった運用になっていますが、国際共同治験の場合はそう簡単ではありません。

また臨床現場では、併用禁止薬に違いがあったり、臨床検査の検体を海外ラボに送る必要があったりと、様々な細かな対応事項があります。

大変ですが、今後、増え続けるであろう国際共同治験のニーズを考えると、国際共同治験の経験は有用だと思います。
Q
CRO業界は今後も成長すると思いますか?
A
IT化の流れもあり、モニターが施設に訪問する必要性が今後なくなっていくことでしょう。例を挙げますと、リモートSDVがあたります。

そうなれば、モニターを多く在籍させるCROは減り、業界自体は少数精鋭で運用していく流れになっていくことでしょう。

現在、業界自体は成長の流れを強くアピールしていますが、10年後は厳しいかと思います。
Q
CRAには英語力がどれぐらい必要なのでしょうか?
A
CRA(臨床開発モニター)への転職の際には英語力がアピールできれば非常に有利になるのは間違いありません。

具体的に有利になるのは、どのくらいの英語力かというと、スバリTOEICの点数では、750点以上あれば、業務で英語が使えるポテンシャルの高い人材として認識してくれるでしょう。

ただし実際は、TOEIC高得点者でも、簡単な英文E-mailの作成に何十分も費やしたり、電話会議で自分の意見がなかなか言えなかったりするものです。

そのあたりは採用側も十分承知をしているので、TOEICの点数はあくまでも英語力のポテンシャルを見るためのひとつの指標です。

E-mailの作成や電話会議でのやりとりは実際にやってみないとなかなか上達しません。

つまり、CRA(臨床開発モニター)への転職時点で必ずしもE-mailのライティングや、電話会議でのスピーキングが堪能であることは求められません。仮に現在のTOEICの点数が600点に満たないような状況でも、英語に対する関心度、勉強する姿勢などをアピールすればよいでしょう。
Q
オンサイトモニタリング、オフサイトモニタリング、中央モニタリングの違いはなんでしょうか。
A
オフサイトモニタリングは文字通り、医療機関を訪問せずに実施するモニタリングです。具体的には、電話やe-mail、場合によってはテレビ電話システムを使用したモニタリングなどが該当します。

EDC(電子症例報告書)の内容はネット環境が整っているオフィスででも閲覧できますから、変更点の確認など、電話を介してCRCをはじめとした医療機関スタッフに連絡をとることでモニタリングを実施することができます。

オフサイトモニタリングは、あくまでも施設を訪問するオンサイトモニタリングに対比して使用する用語です。

かわって中央モニタリングは、オフサイトでDM担当者などと協力して、治験データをさらに治験実施施設横断的にレビューしたり、施設間で比較を行うことで質を担保するモニタリング手法です。
Q
外資系と内資系の臨床開発企業の違いを教えて下さい。
A
外資系で働く場合には、かなり近い階層の上司(上司の上司レベル)が外国人になる可能性もあると思っておいたほうがよいでしょう。実際に私の友人は某外資系メーカーで臨床開発業務を行っていますが、チームのマネージャー(上司の上司)は日系外国人で、ほとんど日本語が話せず、マネージャーへのメールは全て英語、マネージャーを含めた会議でのプレゼンテーションも基本的に英語です。

つまり外資系メーカーの臨床開発で働けば、自然と英語に囲まれた環境で仕事ができますし、周りに英語ができる人が多いので、比較的早い段階で英語を使って仕事をする機会を与えられるでしょう。ですから、早期に国際共同治験を経験したい場合や、グローバルで活躍したい場合は、外資系メーカーは魅力的です。

では内資系メーカーに入社するのに比べて、外資系メーカーに入社するデメリットはなにかあるでしょうか。

強いて言えば、開発計画の意思決定に深く関われない可能性があるということです。外資系メーカーの日本法人というのはあくまでも、世界の一地域の支社なのです。つまり、アメリカであれ、ヨーロッパであれ、外資系メーカーの本社で決められた事を、日本法人は計画通りに実施することが求められます。もう少し悪い言い方をすると、「黙って本社の言う通りにするしかない」という部分があるかもしれません。

上記は役職のない一社員として入社する場合は、あまり影響のないことかもしれませんが、将来的にそのような可能性も考えられるということは念頭に置いたほうがよいと思います。

もちろん、外資系メーカー本社の開発計画、決定事項が素晴らしいものであれば、特に問題にはなりません。

最近は大手内資系でも、開発本部の拠点を海外に移したり、海外企業との提携も増えているので、以前よりも内資と外資の違いは小さくなっています。
Q
CRAとPV(安全性情報担当)のどちらがオススメでしょうか。
A
製薬会社で新薬開発に関わっています。

CRAとPVは仕事をする目的が異なります。CRAは新薬を患者様へ届けることが目的ですが、PVは新薬に限らず薬を安全に患者様に届けることが目的です。CRAは攻めでPVは守りです。仕事内容もCRAは華やかな一面があり、PVは地味で保守的です。

看護師としてのコミュニケーション力を活かせるのはCRAだと思います。CRAはCRCや医師、看護師などとの直接的なやりとりが発生します。PVは常に書類やデータとにらめっこですから、看護師としての経験は活かしづらいかもしれません。逆に看護師が向いていないと感じられているならPVのほうに適性があるかもしれません。

薬がなくて困っている患者様を助けたいなら新薬開発に携わることができるCRA、薬をできるかぎり安全に患者様に届けて副作用で困っている患者様を減らしたいならPVが良いのでは?
Q
CRAの辛いこと、大変なことはなんでしょうか。
A
CROでモニターをしていますが、試験立ち上げ時のIRBの締め切りが最も辛く感じます。

質問者さんはご存知ないかもしれませんがIRBという治験が安全に実施できるかを審査するための委員会が月に1回開催されます。治験を開始するためには多くの提出書類についてIRBの審査を受けて承認をもらう必要があるのですが、各開催に締め切り日が設定されており、間に合わないと次の審査は1ヶ月後になってしまいます。CRAとしては試験のスケジュールが予定よりも遅れることは避けなければなりませんから、IRBの締め切り日までに必要な書類を必ず揃えておく必要があります。

提出書類はプロトコルや治験薬概要書、同意説明文書など多数あり内容も複雑です、必要な書類も試験ごとに異なります。提出書類は事前に依頼者だけでなく治験責任医師やCRCなどにも大丈夫かを確認してもらうのですが、こちらの予定通りに確認してもらえないことがあります。特に治験責任医師は忙しい人が多く、確認するように催促しても音沙汰がないにもかかわらず、締め切りはどんどん迫ってくるときはかなり焦ります。

CRAの残業が最も増えるのはこの時期で、とにかく時間が足りないことが多いです。最近はグローバル試験や複数のプロトコルを1つの施設で同時に行うことも増えており忙しさに拍車がかかっています。IRBは各病院で開催されますから、4つの施設で新たに試験を行う場合はIRBの審査も4回あることになります。

業務量が多いため、会社によってはスタートアップだけをサポートする専門の部隊をもっているところもあるようです。この忙しい時期は1~3ヶ月ほど続くのですが、この時期は休日や深夜出勤が避けられないことも普通にあり、1ヶ月の残業時間が50~60時間になることも珍しくありません。

慣れればスケジュールが読め少し楽になるのですが、それでもIRBの締め切りが迫っているにも関わらず、書類の承認が追いついていないときは精神的にも体力的にも追いつめられてとても辛いです。CRAの仕事がきつくて辞めたいと感じるのは、この立ち上げが続いて人間が壊れてしまうときが最も多いと思います。
Q
男性の専門卒の看護師です。CRAへ転職は可能でしょうか。
A
知人に元看護師のCRAがいます。

彼を見る限り、経験がなくてもCRAになれると思います。看護師や薬剤師などの医療系の資格を持っている人が多いようです。学歴も専門卒の人もいらっしゃるみたいです。知人は外資系で働いていますが、特に英語が得意だったというわけではなく、仕事を通じて英語力を身に着けていったようです。ですので質問者さんにもチャンスがあるのではないかと思います。

仕事は毎週のように出張があるようで、月に2〜3回は飛行機の乗っているようです。よくLINEでメールが来ますが、常に新しい場所にいるイメージですね(笑 ですので、全国を飛び回りたい看護師さんにとっては面白いかもしれません。ただ、若いうちは良いと思いますが、年をとった後はどうするんだろうと思ったりもします。きっと何か方法があるのでしょうが・・・。
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