CRA(臨床開発モニター)経験者の転職理由は「年収をアップしたい」「キャリアップしたい」「働きやすさを重視したい」など様々です。CRA(臨床開発モニター)経験をお持ちの方が転職活動をする際に注意すべき点を、主な応募先である「CRO」と「製薬メーカー」の二つに分けて徹底的に解説します。
- 転職成功事例はこちら
- CRA(臨床開発モニター)経験者の転職成功事例
CRA(臨床開発モニター)経験者の転職理由は「年収をアップしたい」「キャリアップしたい」「働きやすさを重視したい」など様々です。CRA(臨床開発モニター)経験をお持ちの方が転職活動をする際に注意すべき点を、主な応募先である「CRO」と「製薬メーカー」の二つに分けて徹底的に解説します。
CRA(臨床開発モニター)経験者が「CROからCROへ転職する理由」は主に以下の3つになります。
CRA(臨床開発モニター)経験者の転職理由ベスト3 | |
1位 | ・年収をアップしたい |
2位 | ・キャリアアップしたい |
3位 | ・働きやすさを重視したい |
では、それぞれの具体例と注意点について以下に詳しく解説します。
CRA(臨床開発モニター)経験者の転職理由で最も多いのはやはり「年収アップ」です。
CRA(臨床開発モニター)経験者が年収をアップさせる方法としては、現在の職場で昇進・昇格をする以外にも、他の会社へ転職することによって大きく年収をアップさせることが可能な場合があります。
製薬メーカーへ転職できれば年収が上がる可能性があることは知られていますが、製薬メーカーへの転職は狭き門であることも事実です。そのため、現実的な選択肢として製薬メーカーではなくCROへ転職することによって年収をアップさせるCRA(臨床開発モニター)がいらっしゃいます。
CROへ転職することによって年収が上がる可能性があるCRA(臨床開発モニター)は主に以下のいずれかに当てはまります。
現在のCROへCRA未経験者として入社した 業界平均よりも年収が低いCROに所属 転職時に有利な経験がある 5年以上のCRAの経験があるのに昇進できていない
現在のCROへ新卒もしくは中途でCRA(臨床開発モニター)未経験者として入社している
現在のCROに未経験者として入社した場合、CRA(臨床開発モニター)の経験がないため、足元を見られてしまい、給与のベースが低く設定されることがあります。特に新卒の場合はCRA(臨床開発モニター)経験だけでなく、社会人経験もないため、給与が最低金額からスタートすることが多いです。
昇格しても給与のアップが年収で10万円に満たない場合も多く、CRA(臨床開発モニター)として同じ会社で経験を積んでもなかなか年収が増えないと悩んでいるCRA(臨床開発モニター)が多く見られます。
その場合は別のCROへCRA(臨床開発モニター)経験者として転職することによって、年収を大きくアップさせることができます。
業界平均よりも年収が低いと言われているCROに所属している。
CROの給与制度は会社によって異なります。例えば実力があるCRA(臨床開発モニター)であっても年功序列色の強いCROに所属していては年齢が若いうちの年収アップはあまり期待できません。年齢が若いというだけで給与が低く抑えられてしまい歯がゆい思いをしているCRA(臨床開発モニター)が多くいらっしゃいます。その場合は実力主義を徹底しているCROへ転職すると年収をアップさせることが可能です。
他にも、女性の働きやすさを優先する余り、男性にしわ寄せがいっているCROには、年収が低いままの男性のCRA(臨床開発モニター)がいらっしゃいます。その場合は男女差が少ないCROへ転職すると年収が上がることが多いです。
また、業績が芳しくないCROでは賞与が減額されたままである場合も多く、業績が好調なCROへ転職することによって当然ですが年収は上がります。
転職時に評価される経験(グローバルスタディの経験、オンコロジー領域の経験、英語力)などがある。
所属先と転職先のCROでは、高い評価を受ける項目が異なる場合が多いです。現在、所属しているCROでは「社歴の長さ」や「社内人脈」などのゼネラリスト的な要素が重視されることが多いですが、転職先では「グローバルスタディの経験」「オンコロジー領域の経験」「英語力」などのスペシャリスト的な項目を重視されることが多いです。
現在、所属しているCROで「グローバルスタディの経験」「オンコロジー領域の経験」「英語力」を発揮できるプロジェクトが少ない場合、そのCROで働き続けても将来、年収が高くなる可能性がは低いため、そのような経験を十分に発揮できるCROへ転職することによって年収を大きくアップさせることが可能です。
管理職の空きが少ないため、CRA経験年数が5年以上あるにも関わらず昇進できない
管理職がつまっており空きが少ない場合、現在のCROに所属していても管理職になれる可能性が低いため、年収が大きく上がることは期待できません。その場合は年齢を重ねてポストの空きを待つよりも、管理職候補として採用してもらえるCROへ早めに転職するほうが、将来から現在を振り返った時に良い結果となる可能性が高いです。
特にCRA経験が5年以上ある方は、成長中で管理職が少ないCROへ管理職候補として転職することによって大きく年収を上げることが可能です。
現在のCROではキャリアを積めないと悩んでいるCRA(臨床開発モニター)も多いようです。特に「20代の男女」と「30代の男」性に多く見られます。
経験してきたキャリアや会社で置かれている状況は十人十色ですが、主に以下のいずれかに当てはまることが多いですので、各々について詳しく見ていきましょう。
基礎的な経験を積みたい グローバルプロジェクトやオンコロジー領域の経験を積みたい リーダーなどマネジメント経験が積みたい
CRA(臨床開発モニター)として基礎的な経験をきちんと積みたい
苦労してCRA(臨床開発モニター)になったものの、プロジェクト量が少ないため待機時間が多く会社の将来性が低い場合や、小規模なプロジェクトや医師主導治験などが多く経験が豊富な先輩や指導者が周囲にいないため、なんとなくモニタリングを行っているCRA(臨床開発モニター)が該当します。
苦労してCRA(臨床開発モニター)になった方が多く、キャリアにも自信がなかったり、今の会社の在籍期間が短かったりしてCRA(臨床開発モニター)として転職できるか疑心暗鬼になっている方も多いようです。この場合は転職すべきか、現在の会社にもう少しとどまるべきか微妙な判断が必要になることが多いですが、目安としては会社の在籍期間が1年以上であれば転職をしたほうが有利になる場合が多いようです。
ただし、繰り返しになりますが転職すべきかどうかは微妙な判断になるため、専門のコンサルタントに相談したうえで、転職すべきかを決断したほうが良いでしょう。
グローバルプロジェクトやオンコロジー領域の経験を積みたい
現在、国内資本系CROや中堅CROで働いているが、自社の受託プロジェクトはジェネリックや適応拡大などが多く、今後の需要が見込まれるグローバルスタディやオンコロジー領域のプロジェクトが少ないため、そのようなプロジェクトに関われるチャンスが多いCROへ転職を検討している方も多いようです。
現状の職場では仕事にも慣れて大きな不満がない場合も多いため、きちんと将来のキャリアを見通したうえで今、行動を起こせるかどうかが問われます。
CRA(臨床開発モニター)がモニターとしてのキャリアを積む期間は一般的に30 代までと言われています。なぜなら、40代になるとマネジメントとしてのキャリアを積むことが中心となり、モニターとしてのスキルを磨くチャンスは極端に少なくなるからです。
将来、優秀なマネージャーになれるのか、それとも窓際モニターで終わってしまうのか・・・。30代でどのようなキャリアを積めるかによって将来が大きく変わってきます。
また、CRA(臨床開発モニター)としてベテランになったのにも関わらず「英語が使えない、グローバルスタディが苦手、オンコロジーの経験がない」となると転職市場では価値が低くなります。再びリーマン・ショックのようなことが起きてリストラにあってしまった場合に契約雇用でしか雇ってもらえなかったり、年収が大幅ダウンでしか雇われなかったりする可能性が高く、その時に焦っても後の祭りです。
繰り返しになりますが、現状の職場環境には満足しているため、転職に対して優先度が低いCRA(臨床開発モニター)が多い傾向があります。そのため、まずは気軽な気持ちでカジュアル面談などを受けて情報収集をしながら、自分に適したキャリアをきちんとイメージできる転職先が見つかった後に本格的に転職を検討してみても良いでしょう。
リーダーなどマネジメント経験が積みたい
主に30代の男性CRA(臨床開発モニター)になります。CRA(臨床開発モニター)としては色々な経験を積み一人前になったと感じており、次はリーダーなどのマネジメント経験を積みたいと考えているにも関わらず、ポジションの空きがなかったり、所属会社からの評価が低かったりしてマネジメントの経験を積めずにいるCRA(臨床開発モニター)は多いようです。
所属会社からの評価が低い場合は、上司が変わったりすればチャンスが与えられる可能性があるのに対して、ポジションの空きがない場合はより深刻度が増します。自分より経験が少ないCRA(臨床開発モニター)が先に昇進したりすると、仕事に対するモチベーションも下がってしまうため、評価も下がり、負のスパイラルに陥ってしまう場合があります。
そのような場合は一刻も早く管理職ポジションの人材が不足しているCROへ転職したほうが良いと言えます。なぜなら、一般職として長くCRA(臨床開発モニター)を長く続けて年齢を重ねていくほど、所属している会社で昇進する可能性が減るだけでなく、転職時にも低い評価を受けてしまう可能性があるからです。窓際CRA(臨床開発モニター)となってから動いたのでは、間に合わないため注意が必要です。
主に20代後半から30代の女性CRA(臨床開発モニター)になります。結婚予定がある方とない方に分かれます。
当面の結婚予定がない方
主に労働時間を減らしたいというCRA(臨床開発モニター)が多いです。受託しているプロトコルが所属会社のリソースが超えると一人のCRA(臨床開発モニター)が複数のプロトコルを抱えざるを得ない場合が発生し、残業や休日出勤・出張が増えます。その結果、肉体的にも精神的にも疲弊してしまい最終的には体調を崩して退職に追い込まれる方が多いです。
この問題は転職によって容易に解決が可能なのですが、現実的にはなかなか上手くいきません。なぜなら、業務が多忙すぎて転職活動を行う時間を取れないことも多く、最終的には二度とCRA(臨床開発モニター)として働きたくないとトラウマ化する場合もあるからです。
このような状況になってしまうことを避けるためには、初めてCRA(臨床開発モニター)として就業する際に、ご自身の体力や精神力に自信がない方はCRA(臨床開発モニター)になることを避ける勇気を持つことも大切です。もし、残念ながらそのような状況に陥ってしまった場合は、肉体的・精神的に追い込まれる前に転職活動を行ったり、思い切って退職したりすることも必要だと思われます。
残業を減らす取り組みを過剰なほど行っているCROもありますので、残業時間を減らしてプライベートを優先したいCRA(臨床開発モニター)は、そのようなCROへ転職することによって、生き生きと働き続けられると言えます。
近いうちに結婚の予定がある方
実は産休・育休明けの働き方は大きく2つに分けられます。一つはCRA(臨床開発モニター)ではなくサポート業務や品質管理などの間接部門へ移動して仕事を続けるパターン。もう一つはCRA(臨床開発モニター)として働き続けるパターンです。それぞれにメリットとデメリットがあります。以下に両者の違いを以下に表としてまとめました。
サポート・間接業務とCRAの主な違い
サポート・間接業務 | CRA | |
育児と仕事の両立が容易である。 | メリット | 給与を維持できるうえに、キャリアが断絶しないため将来的に管理職を目指せる。 |
給与が大きく下がるうえに、キャリアが断絶してしまう。 ポジションに空きがない場合がある。 |
デメリット | 育児と仕事の両立が容易ではなく、家族のサポートがあったり、ご自身が効率的に仕事をこなせる能力を習得していたりする必要がある。 |
キャリアよりもプライベートを重視したい方に多く、仕事に復帰して数年後、もしくは二人目を出産した後に退職を選ぶ場合が多い。 | 傾向 | プライベートよりもキャリアと収入を重視したい方に多く、将来的には管理職になる方が多い。 |
このように時短制度や在宅勤務制度を整えていることや、育休・産休を取得できることが当たり前となった現在でも育休・産休後の働き方は大きく2つに分けられます。
しかし両方を選べるCROは少なく、多くのCROはどちらか一方に偏っている場合が多いです。そのため、育休・産休後はサポート・間接部門で働き続けたいと考えていても、所属している会社ではCRA(臨床開発モニター)として働き続けることが強く求められている環境である場合は、早めに希望の働き方が可能なCROへ転職する必要があります。もちろん、逆の場合も同様です。
なお、育休・産休を目的に転職する場合は、育休・産休を取得できるのは入社後1年以上の社員と労使協定で定めている企業が多いです。従って、最低でも取得する1年前までには転職することが必須となります。