
MRがCRA(臨床開発モニター)へ転職する時に注意すべき点を解説しています。
MRは比較的、CRA(臨床開発モニター)へ転職しやすいと言われていますが、MRならではの注意すべき点がいくつかあります。こちらでは、MRがCRA(臨床開発モニター)へ転職する際に特に注意すべき点を「年収・給料」「適性」「選考難易度」の3つに分けて、徹底的にアドバイスしています。
MRの方は事前にこちらの記事に目を通して、CRA(臨床開発モニター)の転職活動に失敗しないように準備をしましょう。
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CRAへ転職した場合の年収・給料について

MRがCRA(臨床開発モニター)へ転職すると初年度の「年収・給料」が大きく下がる可能性が高い点を知っておこう。

MRからCRAへ転職すると初年度の年収・給料が下がる場合が多い
3年勤務しているMRの場合はCRAへ転職することによって、年収が平均100万円前後下がることが多いようです。また、5年勤務しているMRですと年収が200万円近く下がることも珍しくありません。
仕事の内容や転勤がないことに魅力を感じてCRA(臨床開発モニター)への転職を考えても、初年度の年収が大きく下がることを知って転職することをあきらめるMRが多く見られます。
MRとCRAの年収比較(20代)
※100名のCRAばんくのクチコミ・アンケート調査データをもとに作成(調査期間:2015年4月~2023年6月、有効回答数:N=100)。
※MRは2018年の賃金構造基本統計調査のデータを独自に加工して作成。
- MRの平均年収は20代の男性が500~600万円、女性が400~500万円となっています。
- CRAの初年度の年収は400~500万円前後の提示を受けることが多いです。
- 男性のMRは年収が100万円前後下がり、女性は前職とほぼ同じ金額になる場合が多いです。


MRとCRAの年収推移の比較
MRとCRA(臨床開発モニター)の年収・給料に大きな差はありません。MRは全職種の中でも年収・給料の高さがトップレベルに位置づけされます。しかし、CRA(臨床開発モニター)の年収・給料もMRにに負けず劣らず高いため、経験を積んでいけば将来的には十分に高収入を得られる可能性があります。
年収の比較
※CRAは371名のCRAばんくのクチコミ・アンケート調査データをもとに作成(調査期間:2015年4月~2023年6月、有効回答数:N=371)。
※MRは2018年の賃金構造基本統計調査のデータを独自に加工して作成。
- MRの平均年収は20代が約500万、30代が約650万、40代が約800万円です。
- CRAの平均年収は20代が約500万、30代が約650万、40代が約800万円です。
- CRAとMRの平均年収に大きな差はありません。

MRとCRAのどちらに適性があるかを自己分析する

「営業への適性がない」「営業が嫌い」と感じたら、CRA(臨床開発モニター)への転職を考えよう

市販後薬剤の拡販が主な目的であるMRに対して、CRA(臨床開発モニター)は市販前薬剤のプロジェクト管理が主な業務になります。MRは営業的要素が強いのに対して、CRAは事務的要素が強くなります。
MRを数年経験した結果、それなりの売上が残せている方の場合、MRへの適性があると判断したほうが良く、CRA(臨床開発モニター)へ転職しても、失敗する可能性が高くなります。逆にあまり売上が残せていない方の場合、CRA(臨床開発モニター)へ転職すると、才能が花開く場合があります。
- 詳しくはこちら
- CRAとMRの違い
MRに向いている人、CRAに向いている人
MRに向いている人
- 1
- 営業が好き、自信がある
- 2
- 単独行動が好き
- 3
- 自分の成果は数字できちんと評価されたい
- 4
- 仕事中にさぼるのが苦にならない
- 5
- 英語が嫌い
- 6
- 車の運転が得意
- 7
- 飲み会やゴルフが好き
CRAに向いている人
- 1
- コミュニケーション力はあるが、営業はどちらかと言えば好きではない
- 2
- 人にお願いするのが得意
- 3
- 勉強が好き
- 4
- 英語が好き
- 5
- スケジュール管理が得意
- 6
- 旅行が好き
- 7
- 事務作業が好き
- MRに向いている人は「見るからに営業マン」「根っからの体育会系の感じがする人」です。そのうえで、飲み会やゴルフが好きで、車の運転が得意であればMRへの適性が高いと言えます。
- CRAに向いている人は「コミュニケーション力が高く、アクティブなオーラを感じる人」です。そのうえで、事務業務をテキパキとこなし、勉強熱心であればCRAへの適性が高いと言えます。
- MRは男性が、CRAは女性が向いている職業とも言えそうです。


CRAへの転職はMRより難易度が高くなる

CRAへ転職するためには、MRへ転職するよりも3~4倍の時間と手間がかかることを理解しておこう。

当然ですがCRA(臨床開発モニター)への転職はMRと異なり「未経験者」として挑戦することになります。そのため、すでに経験しているMRへ転職するのと異なり、選考へ通過する難易度が高くなります。
また、面接官は応募書類から応募者が本気でCRA(臨床開発モニター)を目指そうと思っているかを見極めようとします。
MR向けに作成された応募書類を、そのままCRAへの応募用として使うと、面接官からはCRAへの志望意欲が疑われることになります。そのため、MR向けに作成された応募書類をそのまま使用することは避け、きちんと時間をかけてCRAへの応募用として作成し直す必要があります。
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MRとCRAの転職の違い
MR→MR | MR→CRA | |
100% | 合格率 | 20%(MR→MRを100%とした場合) |
MR(文系大卒が最も多い) | 他の応募者 | 大卒・院卒の薬剤師・看護師・臨床検査技師 |
合否への影響度は少ない | 英語力 | 合否への影響度は大きい |
ほとんど不要 | 業界研究 | 必要 |
作成が容易 | 応募書類 | 志望動機や自己PRなどの作成に時間がかかる |
経験してきたことを話せば良い | 面接 | CRAとしてMRの経験がどのように生かせるかを話す必要がある |
- CRAの他の応募者はMRと異なり「薬剤師」や「看護師」などの医療系のスペシャリスト達です。
- 業界研究もほぼゼロからのスタートになるうえ、応募書類や面接の準備にかかる時間も倍以上に増えることになります。


よくある質問とみんなの回答
- Q
- CRAとMRはどちらが大変ですか?
- A
-
元MRですが、想像していたよりモニターは内勤業務が多いです。なので、自由に活動していたMR時代が懐かしいです。また、モニターは間違えがあってはならない仕事なので、細かく書類等チェックできる方は向いているかと思います。
MRは数字さえよければ割と自由。
モニターは評価されることはあまりなく、そつなく仕事をこなす仕事という印象です。
向き不向きあると思いますが、精神的にはモニターの方が楽なと思ってます。
- Q
- 30代でもMRからCRAへ転職できますか?
- A
- 私は30代前半でMRからモニターへ転職しました。応募のタイミングや応募先にもよりけりですが、可能性はあると思います。ちなみに、私は書類選考でおとされることも多かったです。
- Q
- 動物病院を担当しているMRでもCRAへ転職できますか。
- A
-
転職できる可能性は十分にあると思います。
ポイントは、転職面接時に現在の一見、マイナスに見える要素をいかに積極的なアピールに展開できるかにかかっています。
マイナス要素 「動物医薬品メーカーのMRとして勤めているが、MR資格はなく、ヒト用の医療用医薬品の知識が少ない」
↓
転職理由「動物医薬品メーカーのMRとしてのキャリアは、ヒト用の医療用医薬品の非臨床試験(動物試験)結果の理解や解釈に役立つ。その強みを医薬品業界の専門職である臨床開発で活かしたい。CROであれば、さまざまな製薬メーカーの仕事に関わることができるので、いろいろな領域の新薬開発にチャレンジしたい」
いかがでしょうか。
少しこじつけ感が強いかもしれませんが、受ける印象は大きく違います。未経験者の採用はあくまでも今後のポテンシャルを見ているわけですから、それを感じさせることができれば大丈夫です。
- Q
- CSOのMRからCRAへ転職できますか?
- A
-
20代後半ということであれば未経験者採用の許容範囲に入りますので、年齢の観点では問題ないと思います。
あとはコントラクトMRのキャリアがどのように影響するのかですが、理系出身であること、MR認定試験に合格していること、中枢神経系や癌など臨床開発のキャリアとして比較的有利に働く領域での経験があること、などの条件がそろえば中堅製薬メーカーのMRからの転職と比較して、それほど違いはないと思います。
逆に言うと、文系出身者であったり、MRとしての経験領域がオーソドックスな生活習慣病領域のみであるような場合は、やはり不利になると思いますので、英語力を磨くなどのプラスαのアピールポイントが必要になってきます。
- Q
- MRからCRAへの転職の際の職務経歴書上での実績の書き方について
- A
-
MRとしての営業実績は採用時の参考材料になると思いますが、あくまでもひとつの目安かと思います。営業実績よりも、担当している領域や施設規模、扱っていた製品の内容、新薬の採用経験、PMS対応の有無などが採用時の大きな要素になります。
特に最近のCRA(臨床開発モニター)では癌、中枢の経験が比較的高く評価されますので、それらがアピールできれば有利です。また、自己啓発で英語学習に積極的に取り組んでいるなども有効でしょう。
- Q
- MRからのCRAへの転職の際に医療系の資格はあったほうが良いですか。
- A
-
MRからCRAに転職する際には、医療系の資格は必ずしも有利になりません。それよりもまずはMRとしての経験を多少おおげさでよいので、しっかりとアピールしましょう。
MR経験があり、認定資格も持っているということは、CRAとして業務のする際の基本的な医学薬学知識、業界の一般常識、コミュニケーション力は既にあるとみなせますから、あとは職務経歴書や面接で、MR経験を軸に、ポテンシャルをアピールすることになります。
職務経歴書にMR時の担当疾患領域、担当エリア、担当施設の規模や数、薬剤数について十分に記載します。
例えば、あなたが頻回訪問や的確な説明会開催などで、担当医療機関の処方実績をアップさせた経験があるとするならば、しっかりと記載しておくべきです。もちろん、処方実績アップは面接でもアピールしてよいでしょう。
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