CRA(臨床開発モニター)の一日と一週間のスケジュールを詳しく紹介します。CRA(臨床開発モニター)の業務は、出張の有無によって一日のスケジュールが大きく異なるため、1週間のスケジュールは別の表で説明しています。
CRA(臨床開発モニター)の業務は、治験開始前の準備から始まり、治験契約の締結、モニタリング、申請処理など、多岐にわたります。
「CRA(臨床開発モニター)の一日はどんな感じなの?」「CRA(臨床開発モニター)の一週間はどのような流れなの?」といった疑問をお持ちの方は、ぜひこちらをご覧ください。詳しいスケジュールだけでなく、現場の声や裏話もお伝えします。
それでは、CRA(臨床開発モニター)の一日と一週間を見ていきましょう!
CRA(臨床開発モニター)の一日
- 8:45
~
9:30 - オフィスへ出社
- 新着メールの確認
事務所で治験責任医師やCRC、製薬会社から届いた有害事象の報告を含む新着メールを確認し、必要に応じて返信します。 - 郵便物の確認
- 9:30
~
12:00 - 一日の準備
- 本日の業務を確認
その日の予定を確認した後、同じプロジェクトチームの他のCRA(臨床開発モニター)と打ち合わせを行います。 - 医療機関までの交通経路と時間の確認
遅刻しないように、交通経路を再確認しておきます。 - 治験担当医師への訪問があるときは、新幹線や飛行機の時間を再度確認します。医師は忙しいため遅刻は厳禁です。
- 翌日以降に訪問する医療機関のアポイントを確認
翌日以降に訪問する病院のアポイントをとります。担当医師に電話をした後、訪問日時と打ち合わせ内容を書いたメールを送ります。 - モニタリングの時間や内容について、治験担当医師に電話で確認します。医師は忙しい人が多いため、診察が始まる前の時間に連絡をするのがコツです。
- 捺印依頼書類の有無を確認
捺印が必要な書類があるかどうかを確認します。ある場合は、事前に印鑑を用意しておきます。 - 治験薬の出庫依頼
治験薬保管施設に治験の名前、数量、ロット番号などを伝え、治験薬の運搬を運送業者に依頼します。以前は、CRA(臨床開発モニター)が治験薬保管施設から治験薬を預かって運搬していましたが、現在は専門の運送業者に委託することが主流となっています。
- 12:00
~
13:00 - 昼食
- 昼食
ビルの中にあるおしゃれなカフェでランチを食べます。
- 13:00
~
13:30 - 医療機関へ移動
- 医療機関まで移動
担当する医療機関に向かいます。医療機関を訪問する頻度は月に数回から週に1~3回程度です。施設は全国各地にありますので、飛行機や新幹線を使って移動したり、宿泊を伴う出張になることもあります。医療機関に直接行く場合もあります。 - 飛行機や新幹線で移動するときは、車内や機内で事務作業を行います。メールの返信、モニタリング報告書の作成、新しいプロトコールの勉強、論文のチェックなど、移動時間を有効に使います。
- 13:30
~
14:00 - 業務の準備
- 医療機関に到着
アポイント時間の15分前には医療機関に到着するように心がけます。 - あいさつ回り
医療機関のスタッフの方々にあいさつをします。 - 打ち合わせ
治験担当医師や治験コーディネーター(CRC)と打ち合わせを行います。 - 打ち合わせの内容は、「被験者は順調に集まっているか」「有害事象は発生していないか」「逸脱は発生していないか」「治験薬は適切に管理されているか」などです。治験が予定通りに進んでいるか、問題が発生していないかを確認します。
- 治験薬の管理
薬剤部を訪問して、治験薬管理簿を確認します。正確な数の治験薬が渡されているか、適切に保管されているかをチェックします。治験薬は間違いがないように慎重に取り扱います。 - IRBのスケジュールの確認
治験事務局に立ち寄り、IRBのスケジュールを確認します。
- 14:00
~
17:00 - モニタリング
- プロトコールの遵守を確認
CRF(症例報告書)にプロトコール(治験実施計画書)違反や逸脱がないかを確認します。 - 治験担当医師にプロトコールを正確に理解してもらい、それに従ってもらうのは容易ではありません。除外基準に該当するかどうかについて、治験担当医師と議論することもあります。
できるだけ多くの患者に参加してもらいたいと考えていますが、プロトコール違反があるとデータが使用できなくなってしまいます。そのため、CRA(臨床開発モニター)はGCPを遵守してモニタリングを行います。 - SDV
原資料(カルテや看護師のメモなど)とCRF(症例報告書)の内容を照合し、転記漏れや転記ミスがないかどうかを一つずつ確認します。 - 治験の経験が豊富な医師や、責任感の強い治験コーディネーター(CRC)と一緒に作業すると、SDVがスムーズに進みます。臨床経験がある看護師出身の治験コーディネーター(CRC)は非常に頼りになりますが、気が強い方が多いため悩むこともあります。
- CRFの回収
記載済みのCRF(症例報告書)を回収します。以前は、CRA(臨床開発モニター)が紙のCRF(症例報告書)を回収していましたが、現在では医療機関でPCに入力されたCRF(症例報告書)を電子上で回収することが主流となっています。 - 有害事象の確認
被験者の状況や有害事象が発生していないかを確認します。 - 例えば、治験薬の副作用として頭痛が心配されている場合、患者に頭痛が発生したら、それが治験薬によって引き起こされたかどうかを判断しなければなりません。
もし治験薬によって引き起こされたと判断されたら、それは有害事象に該当します。しかし、治験前から頭痛があり、治験薬投与後も悪化した様子がない場合は有害事象に該当しません。 - キャンペーンの提案
治験のキャンペーンを提案し、被験者を集める手伝いをします。
- 17:00
~
17:30 - 業務のまとめ
- 本日の業務の結果報告
医師やCRCに本日の業務内容や伝達事項を報告します。 - 次回の訪問予定日の報告
- 捺印書類の依頼
- あいさつ回り
医療機関のスタッフにあいさつをして帰ります。
- 17:30
~
18:00 - 帰社
- 事務所へ移動
訪問先である施設(医療機関)から事務所へ帰社します。飛行機や新幹線を利用することも多いです。訪問先が遠い場合は、直接自宅に帰ることもあります。 - 出張先ではおみやげを買って帰ることが多いです。全国の医療機関を訪問するために、北海道から沖縄までの特産品に詳しくなります。
- 18:00
~
20:00 - 内勤業務
- 新着メールの確認
事務所で新着メールを確認し、必要なものには返信します。 - 郵便物の確認
- 日の業務の結果報告
その日の業務内容を報告し、他のCRA(臨床開発モニター)と情報交換を行います。 - 捺印書類の返却
- 必要書類の作成
- 今後のスケジュールをパソコンに入力
- モニタリング報告書の作成
回収したCRF(症例報告書)をまとめ、モニタリング報告書を作成します。 - モニタリング報告書は施設を訪問するたびに書かないとすぐに溜まってしまいます。時間がなくて書くのを後回しにしてしまうと、訪問日に何があったかを思い出すのに苦労します。
モニタリング報告書には、「いつ、誰に、どこで会ったか」「どのような話をしたか」「何を確認したか」「どのような資料を医師に提出し、何を入手したか」などを記入します。 - 作業日報の提出
日報を提出すれば業務は終了です。 - 退社
- CRA(臨床開発モニター)が作成する報告書はたくさんあります。締め切りが当日の書類も多いため、テキパキと行わないと残業になってしまいます。パソコンをカタカタと、すばやく打って早く終わらせます。
CRA(臨床開発モニター)の一週間
- 月曜日
- 内勤
- 全体会議
月曜日の午前中は、全社員が集まり会議を行います。 - プロジェクト会議
担当するプロトコールに関わっているプロジェクトメンバーが集まって、進捗の確認や問題点の共有などの打ち合わせをします。 - プロジェクト内での勉強会
最新の論文から、現在のプロトコールに関連が深い事例について情報を共有します。 - 内勤業務
翌日の外勤の準備、治験薬の出庫依頼などを行います。
- 火曜日
- 外勤
- 関東の医療機関で外勤業務
詳しくはこちらCRAの一日
- 水曜日
- 外勤
- 飛行機で北海道へ移動(直行)
- 北海道の医療機関で外勤業務
- 飛行機で関東へ移動(直帰)
- 木曜日
- 内勤
- 内勤業務
モニタリング報告書の作成や、捺印書類の確認をします。
- 金曜日
- 内勤
- 内勤業務
来週の準備をします。 - 医療英語の勉強会
金曜日は毎週、会社で英会話のレッスンがあります。 - クライアント先の打ち合わせに参加
製薬会社を訪問し、担当している治験薬の最新情報を入手します。
- 土曜日
・
日曜日 - お休み
- 友達とショッピング
- 自宅で好きな動画を視聴