CRA認定があればMRからCRAへ転職しやすくなりますか？

CRA関連の資格を取得することは、MRからCRAへの転職においてプラスに働く可能性はありますが、それだけで確実に転職できるとは限りません。特に、MR経験1年でCRAへの転職を成功させるためには、資格に加えて他の要素も重要になります。

以下に、CRA関連資格の有用性、MR経験がCRA転職に活かせる点、年齢、転職活動におけるポイントなどを詳しく説明します。

CRA関連資格の有用性

ご自身で調べられた通り、CRA教育研修修了認定試験やJSCTR GCPパスポート試験は、治験に関する基本的な知識やGCP（医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令）の理解度を証明するものです。これらの資格を取得することは、CRAとしての適性や学習意欲を示す上でプラスに働く可能性があります。

しかし、これらの資格はあくまでも「知識」を証明するものであり、「実務経験」を証明するものではありません。CRAの選考では、実務経験が重視される傾向にあるため、資格だけで転職を有利に進めるのは難しいと言えるでしょう。

MR経験がCRA転職に活かせる点

MRとして培ってきた経験は、CRAの業務に活かせる部分が多くあります。

◆ 医療従事者とのコミュニケーション能力: 医師や医療機関のスタッフとのコミュニケーション経験は、CRAとして医療機関と連携する上で非常に役立ちます。
◆ 医薬品に関する知識: 医薬品の効能・効果、安全性情報、疾患に関する知識などは、治験薬や治験対象疾患を理解する上で役立ちます。
◆ 情報収集・分析能力: 医療情報や競合製品情報などを収集・分析する経験は、治験関連情報を収集・分析するCRAの業務にも役立ちます。
◆ プレゼンテーション能力: 医師や医療機関のスタッフに対して製品説明などを行う経験は、治験の説明や報告などで役立ちます。

これらの経験は、CRAへの転職活動において、ご自身の強みとしてアピールすることができます。資格取得に加えて、これらの経験を効果的に伝えることが重要です。

年齢について

32歳という年齢は、未経験でCRAに転職する場合、決して若いとは言えません。CROは若手育成に力を入れているため、年齢が上がるにつれて未経験での採用は難しくなる傾向があります。そのため、一日でも早くCRAへの転職活動を始めることをお勧めします。

MR経験1年での転職について

MR経験1年でCRAへの転職は、決して不可能ではありませんが、かなり難しいと言えるでしょう。一般的に、MRからCRAへ転職する場合は、2〜3年以上のMR経験が求められることが多いです。これは、MRとして医療現場で一定の経験を積むことで、CRA業務に必要な知識やスキルを習得できると考えられるためです。

MR経験1年で転職を目指す場合は、資格取得に加えて、以下の点を意識して転職活動を進める必要があります。

◆ CRAへの強い動機と熱意: なぜCRAになりたいのか、MR経験を通して何を学び、どのようなCRAになりたいのか、明確な動機と熱意を伝えることが重要です。
◆ MR経験とCRA業務の関連性: 上述の「MR経験がCRA転職に活かせる点」を参考に、ご自身の経験とCRA業務の関連性を明確に説明できるように準備しましょう。特に、コミュニケーション能力、医薬品に関する知識、情報収集・分析能力などを強調すると効果的です。
◆ ポテンシャル採用を狙う: 一部のCROでは、未経験者でもポテンシャルを評価して採用する場合があります。そのような企業を探し、積極的に応募してみましょう。
◆CRC(治験コーディネーター)への転職も検討する: 治験施設で働くCRCとして経験を積むことで、治験の流れやGCPなどの知識を実務を通して学ぶことができます。CRCの経験は、その後CRAへキャリアチェンジする際に非常に有利に働きます。

まとめ

CRA関連の資格を取得することは、MRからCRAへの転職においてプラスに働く可能性がありますが、それだけで確実に転職できるとは限りません。MR経験1年で転職を目指す場合は、資格取得に加えて、CRAへの強い動機と熱意、MR経験とCRA業務の関連性、ポテンシャル採用を狙うことなどを意識して転職活動を進める必要があります。また、CRCへの転職も視野に入れることで、CRAへのキャリアパスを拓くことができる可能性があります。