CRA(臨床開発モニター)の面接に落ちる人に共通する特徴は、
CRA(臨床開発モニター)の面接で求められる「心構え」の理解ができていないことです。そのため、何らかの理由で面接官に「CRA(臨床開発モニター)としてふさわしくない」と思われてしまい、残念ながら不採用となってしまいます。
こちらの記事では、「CRA未経験者」と「CRA経験者」のそれぞれについて、面接で不採用になる理由を10個のランキング形式にまとめたうえで、どのように対策をすれば良いか解説します。
もし、あなたが面接に落ちてしまったのであれば、次の面接を受ける前にこちらの記事に目を通してみてはいかがでしょうか。きっと何か思い当たることがあるはずです。
CRAの面接の心構えと不採用の理由
CRA経験者の面接の心構えと不採用の理由TOP10
面接で不採用にした理由ランキング(CRA経験者)
- 1位
- 志望動機があいまい
- 3位
- 実績の説明があいまい
- 4位
- すぐに辞めそう
- 5位
- 目標達成の意識が低い
- 6位
- 謙虚さや素直さがない
- 7位
- 協調性に欠ける
- 8位
- 元気がない
- 9位
- ストレスに弱そう
- 10位
- 残業に消極的
面接で不採用にした理由(経験別)
※CRAばんくが独自に集計した100名以上の不採用データ(調査期間:2015年4月~2024年12月、有効回答数:N=100~120)をもとに作成。※複数回答あり
CRA(臨床開発モニター)の面接で、CRA経験者が不採用になる理由は主に以上の10個です。逆の言い方をすれば、この
10個の理由に当てはまらないように心がければ、面接で採用される可能性が高くなると言えるでしょう。
特に1位の「志望動機があいまい」と2位の「コミュニケーション力に不安を感じる」は非常に多く見られるため、詳細に解説します。
面接を受ける前に、ご自身に当てはまる項目がないかをチェックして、当てはまる内容があれば修正したうえで面接を受けましょう。
不採用の理由1位は「志望動機があいまい」
採用担当者が応募者を不採用にした理由で、最も多かったのは「志望動機があいまい」でした。具体的には
- なぜ再びCRAを目指したいのかはっきりと説明できない
- なぜ別のCROへ転職したいのかあいまいである
- なぜCROではなく製薬会社で働きたいのかあいまいである
- 製薬会社の業務を理解していない
- 将来、どのようなCRAになりたいかが分からない
- 弊社への熱意を感じなかった
- 弊社の特徴をあまり理解していないようだ
- 志望動機がずれている
- リーダー志向が少ない
などです。
「なぜ再びCROなのか?」「なぜ製薬会社なのか?」「なぜ弊社なのか?」について明確に返答したうえで、返答内容が応募先企業の特徴と合致している必要があります。
明確な返答ができないと「応募の本気度が低くやる気が感じられない」と面接官に思われてしまいますし、応募先企業の特徴と合致していないと「採用しても本人がやりたい仕事と違うから、すぐに辞めてしまうかもしれないな」と思われてしまいます。
特に製薬会社への応募の場合は、採用数が1〜2名と少ないうえに応募者が殺到するため、少しでも志望動機があいまいですと不採用になる可能性が高くなります。また、リーダーへの志向性が低い方は、面接官に「やる気が低い人」と見られてしまうため、出来る限り前向きな返答をするように心がけましょう。
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CRA経験者の面接の心構え 《その1》
- なぜ他社ではダメなのかを明確に説明できるようにしておく
- 応募先企業の特徴に合致したCRA像を言えるようにイメージしておく
- 機会があれば、リーダーをやりたいことを伝える
- 製薬会社への志望動機は少しのミスも許されないことを理解しておく
内定者と不採用者の志望動機の違い
内定を獲得できる人 | 不採用になる人 | なぜ他社ではないかをきちんと説明できている。 | なぜ御社で働きたいか | 御社で働きたい理由が他社でも流用できる内容になっている。 |
応募先企業の特徴に合致したCRA像を具体的に語ることができる。 | 将来像の説明 | 自分がやりたいことを語っているだけで、応募先企業の特徴と合致していない。 |
自分の言葉や考えで熱い思いを伝えられる。 | 熱意 | どこかで聞いたことがあるような一般的な言葉でしか説明できない。 |
あなたの経験をもとにしたオンリーワンの志望動機を時間をかけて作ることが、結局は内定への最短距離となります。
そのようなことを避けるため、事前に第三者にチェックしてもらうことをオススメします。他の応募者よりも志望動機が優れていると面接官に思ってもらえないと、永遠に内定を獲得することができませんよ。
不採用の理由2位は「コミュニケーション力に不安を感じた」
採用担当者が応募者を不採用にした理由で、2番目に多かったのは「コミュニケーション力に不安を感じた」でした。具体的には
- 会話のキャッチボールができない
- 話が長い
- 返答のレスポンスが悪い
- 結論がまとまっていなくて、何を言いたいのか分からない
- 質問と返答がずれる
- 話のつじつまが合っていない
- 自分の意見や考えをきちんと主張できない
- 笑顔がなく、表情がぎこちない
- 話し方が幼いので不安
- 棒読みでマニュアルを読み上げているみたいだ
などです。
面接官は面接での会話のやり取りから「日常どのようにモニタリング業務を行っているか」を判断します。
そのため、面接でコミュニケーション力に不安があると思われてしまうと、「医師や治験コーディネーター(CRC)と信頼関係を構築できない可能性がある」と判断されて不採用になってしまう可能性が高くなります。
コミュニケーション力に自信がない人は、面接を受ける前に入念に準備をしておきましょう。
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CRA経験者の面接の心構え 《その2》
- 相手の質問に対して、まず結論を一言述べた後に理由を話す
- 暗記した返答をそのまま述べるのでなく、質問に対していかに正確に返答できるかを意識する
- できるだけ短い返答を意識して、自分の考えをだらだらと話さない
- 一方通行に話すのではなく、会話のキャッチボールを意識する
- 話を聞くときはうなづきと笑顔を意識する
内定者と不採用者のコミュニケーションの違い
内定を獲得できる人 | 不採用になる人 | |
最初に述べる。 | 結論 | 最後に述べる。 |
手短に意見を述べる。 | 長さ | だらだらと長い時間かけて意見を述べる |
担当症例数や担当施設数などの実績を数字で述べられる。 | 専門性 | 実績を数字で述べられない |
論理的でつじつまが合っている。 | 内容 | 質問に対する返答が少しずれている。 |
その他にも「論理的な回答」「力強さ」を意識して、相手のどんな質問に対しても、相手の意図をくみ取って、きっちりと落としどころへ話しを持っていくことを心がけましょう。
フリートークも面接の一部であることを忘れないでおきましょう。
不採用の理由3位は「実績の説明があいまい」
採用担当者が応募者を不採用にした理由で、3番目に多かったのは「実績の説明があいまい」でした。具体的には
- 担当業務の内容の説明があいまい
- マネジメント業務の内容の説明があいまい
- 担当業務の詳細な説明が上手にできない
- 「担当施設数」「担当試験数」「担当症例数」「症例獲得率」「投薬数」「逸脱数」「組み入れ数」を言えない
- 面接の最初と最後で説明内容が異なる
- 発言内容が信頼性に欠け、嘘っぽい
などです。
実績を話すときには、担当業務の内容を明確にするだけでなく、「担当症例数」や「担当施設数」およびその内訳(症例数は全何件中の何件を担当したか、施設は大学病院か民間の病院か、など)まで具体的な数字をまじえて話す必要があります。大切なことは実績を数字で言えるかどうかです。
応募者としては「そのような細かい実績の数字まで覚えていない」と愚痴を言いたくなるところですが、初対面の第三者に説明をするのですから、面接を受ける前に「担当業務の実績の細かい部分」を数字で頭にたたきこんでおきましょう。
そうしないと、面接が進むにつれ発言内容が変わってしまったり、面接で「およそ」「約」「たぶん」「確か」などのあいまいな表現を多用することになるため、面接官の応募者に対する信頼性が下がったり、嘘をついていると思われたりしてしまいます。
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- 面接でよく聞かれる質問と返答例
CRA経験者の面接の心構え 《その3》
- 数字をまじえて実績を話せるようにしておく
そのため、職務経歴書を見なおして、昔の実績も数字をまじえて説明できるように準備をしておくことが大切です。あいまいな返答を繰り返すと発言の真実性が下がるため、応募者のキャリアへの信頼が下がることになります。
不採用の理由4位は「仕事が長く続かなさそう」
採用担当者が応募者を不採用にした理由で、4番目に多かったのは「仕事が長く続かなさそう」でした。具体的には
- 転職回数が多くてすぐに辞めちゃいそう
- 子供ができたらすぐに辞めちゃいそう
- プライドが高くて柔軟性が低そう
- 扱いが難しそう
- 怒りっぽい
などです。
「転職回数が多い」「退職理由がわがまま」「プライドが高い」などの理由でCRA(臨床開発モニター)に転職しても、すぐに辞めてしまう可能性が高いと面接官に思われると、不採用になる可能性が高くなります。
女性の場合は「子供ができても仕事を続ける姿勢」を伝えることは大切です。また、年齢が高い方は、面接官にプライドが高く柔軟性が欠けると思われてしまうと、早期に退職しても問題がないように契約社員での採用を打診される可能性が増えます。
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- 経歴にブランクがある
CRA経験者の面接の心構え 《その4》
- 長期的に仕事に取り組むつもりであることを伝える
- 子供ができても仕事を続ける意思があることを伝える
- 経験が豊富な人ほど「実るほど頭の下がる稲穂かな」を意識しよう
その方々に共通する傾向として「自分のことをプライドが高くないと思っており、非常に物腰が柔らかい丁寧な話し方をされる」ことです。
しかしながら、経験が豊富なのですから、本当は「経験が豊富でプライドが高いけれども、建前としてプライドが低いように振舞っているだけ」の方が多いです。そのため、そのギャップに悩んで短期間で退職してしまう方が多いです。
その場合はプライドが高いことを認めたうえで、新しい職場ではプライドを捨てる覚悟も合わせて持っていることを説明すると、良い結果が得られることが多いようです。
不採用の理由5位は「目標を達成する意識が低い」
採用担当者が応募者を不採用にした理由で、5番目に多かったのは「目標達成意欲が低い」でした。具体的には
- 仕事が遅い
- 仕事の効率が悪い
- 仕事の質が低い
- スケジュール通りに業務を進めるのが下手そう
- 目標意識が低い
などです。
CRA(臨床開発モニター)の仕事は「被験者登録数」「投薬数」「試験完了数」などの目標が多く存在し、それぞれに期限が設けられています。
つまりCRA(臨床開発モニター)の業務は目標をスケジュール通りに達成し、もしも遅れがでた場合は速やかに対応を考え行う必要があると言えます。
また、スケジュール通りに進んでも、治験の質が低くては意味がありません。そのため、一定のクオリティを保つことも大切です。
面接では応募者の過去の経歴から、目標達成意識や業務遂行能力などが判断されるため、どのようなことを意識して仕事に取り組んでいたかを上手に説明する必要があります。
その際に「目標意識」「業務遂行力」「仕事の速度と質」が低いと判断されてしまうと、面接で不採用になる可能性が高くなります。
CRA経験者の面接の心構え 《その5》
- 経歴の説明に備えて「仕事のスピードと質を両立しながら、完遂したエピソード」を2~3用意しておこう。
不採用の理由6位は「謙虚さや素直さが足りない」
採用担当者が応募者を不採用にした理由で、6番目に多かったのは「謙虚さや素直さが足りない」でした。具体的には
- 謙虚さがない
- 素直さを感じなかった
- 現状を改善する能力に欠ける
- 転職を甘く考えている
などです。
自分の仕事に自信がある方はプライドが高くなりがちですが、転職すると仕事のやり方が変わり、人間関係がリセットされます。特に転職直後は自分より年下の方や、経験が少ない人に教えを請う場面も発生します。
その時に「前の職場では〜」「以前は問題なかった」と言い訳を繰り返して、新しい職場での仕事のやり方に不平を述べる方は他の社員へも悪影響を及ぼしてしまいます。
そのため、面接官は「新しい仕事のやり方に順応できるか」「新しい人間関係に馴染めるか」を面接で厳しくチェックしています。
CRA経験者の面接の心構え 《その6》
- 新しい職場へスムーズに馴染むためにはプライドを捨てる覚悟も必要
- 特に転職直後は「素直さ」と「謙虚さ」が大切
- 「前の職場では〜」を言うことはなるべく控えよう
本人に悪気はなくても、周囲からは不平不満が多い人と思われてしまい、冷めた目で見られてしまいます。
もし、新しい提案をするのであれば、まずは新しい会社の仕事のやり方をきちんと覚えた後にすべきです。
転職後の不平不満の多さと、短期間での転職は相関関係が高いため、転職直後は素直に周囲の意見に耳を傾け、思い通りにならないことがあっても我慢することを心がけましょう。
不採用の理由7位は「協調性に欠ける」
採用担当者が応募者を不採用にした理由で、7番目に多かったのは「協調性に欠ける」でした。具体的には
- 自己中心的である
- 自分の成果だけを考えている
- 周囲のことを考えていない
- チームへの貢献意欲が低い
などです。
CRA(臨床開発モニター)の業務は共同作業であることが多く、常に周囲と協力して物事を進める必要があります。そのため、面接では「協調性が高いか」「チームで働けるかどうか」が厳しく見られます。
自己中心的で協調性に欠ける方は新しい職場で問題を起こす可能性が高くなるため、どれだけ仕事が優秀だったとしても面接官はトラブルを恐れて採用に及び腰になりがちです。
CRA経験者の面接の心構え 《その7》
- 転職直後は周囲の協力が不可欠。もう一度「For the Team」を思い出そう。
優秀なCRA(臨床開発モニター)が一人いても、チーム全員がうまくいかないと、試験が完結しませんよ。常に周囲をサポートする姿勢は非常に大切です。
不採用の理由8位は「元気さが足りない」
採用担当者が応募者を不採用にした理由で、8番目に多かったのは「元気さが足りない」でした。具体的には
- 元気がない
- 覇気がない
- 暗い
- 鬱っぽい
などです。
CRA(臨床開発モニター)に求める要素の一つに「明るい性格」「元気であること」などがあげられます。
性格が暗そうだったり、元気さが足りなかったりすると、面接官は病院や製薬会社との対応業務に不安を感じるため、CRA(臨床開発モニター)経験があったとしても、不採用にすることが多いようです。場合によっては心身の健康さを疑われてしまいます。
CRA(臨床開発モニター)に限りませんが、いつの時代も、企業は元気で明るい人を求めていることが多いようです。
CRA経験者の面接の心構え 《その8》
- 面接では明るく元気にハキハキとふるまう
- 口角を上げ笑顔を意識しよう
- 相手の発言を否定することは避けよう
- 目を大きく開いてきらきらさせよう
不採用の理由9位は「ストレスの耐性が低そう」
採用担当者が応募者を不採用にした理由で、9番目に多かったのは、「ストレスの耐性が低そう」でした。具体的には
- ストレスに弱そうな感じを受けた
- 医者や製薬会社から厳しいことを言われたらすぐに辞めちゃいそう
- ストレスをためこむ性格だと感じた
- 退職理由からストレス耐性が低い人だと判断した
などです。
CRA(臨床開発モニター)の業務は、医師や治験コーディネーター(CRC)に対して、きちんと治験を行ってもらえるように意見を述べることが求められます。
場合によっては、意図したことを行ってもらえなかったり、反対意見を述べられることもあるため、ストレスが多くかかると言われています。そのため、ストレス耐性があるかどうかは採用基準の重要な項目となっています。
面接でストレス耐性が低いと判断されてしまうと、CRA(臨床開発モニター)の業務をスムーズに進めることができない可能性がある人物、と思われてしまうため、面接で不採用となってしまうことが多いようです。
CRA経験者の面接の心構え 《その9》
- ストレスに強いことを伝える
- ストレスに弱い人の場合は、自分なりの気分転換の方法や、ストレスの解消方法があることを伝える
ストレスに弱くては治験をきちんと進められるCRA(臨床開発モニター)にはなれませんよ。
不採用の理由10位は「残業への対応に不安を感じた」
採用担当者が応募者を不採用にした理由で、10番目に多かったのは「残業への対応に不安を感じた」でした。具体的には
- 残業や出張について抵抗感を持っているようだ
- 早出が余りできないようだ
- 長期出張の話をしたら嫌な顔をした
- 家庭と仕事の両立について安易に考えているようだ
- 幼い子どもがおり、残業への対応に不安を感じる
などです。
CRA(臨床開発モニター)の仕事は出張や残業を避けることはできません。そのため、出張や残業などに対して後ろ向きの発言をする応募者に対し、面接官は不安に感じて不採用にすることが多いようです。
また、主にお子様がいらっしゃる方の場合、育児のために出張や残業ができないと返答すると、残念ながら不採用となってしまう場合も多いです。
CRA経験者の面接の心構え 《その10》
- 出張や残業に抵抗感がないことを伝える
- 家庭と仕事の両立についての覚悟を示す
要は社会人として大人の返答が求められていると言えるでしょう。自分自身で返答の内容を判断することは難しいため、友人などの第三者にチェックしてもらうといいようです。
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