転職経験があるとCRAの採用率は下がりますか？

転職経験がCRAの採用率に与える影響は一概には言えません。なぜなら、企業は候補者のこれまでの経験や実績、そしてCRAの適性などを総合的に判断するからです。

しかしながら多くの場合、CRAへの転職に限ったことではございませんが、転職回数が多い場合や一つの職場での在籍期間が短い方については、採用率が低下する傾向が見られます。

特に現在は、CRA（臨床開発モニター）未経験者の選考の難易度は高くなっており、以下の全ての要素を満たしていない方については、内定を得ることは難しくなっています。

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1）明確な根拠に基づいたCRAを志望する理由がある
2）英語が苦手ではない、もしくは得意
3）優れたコミュニケーション力と高い理解力に自信がある
4）これまでのご経歴が職場への定着性を裏付けている
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質問者様については、採用担当者から「1）明確な根拠に基づいた志望理由」と「4）職場への定着性」の2点に関して、懸念を持たれる可能性が高いと考えられます。

「現在の職場で働きたくないのが正直な気持ちです」と記載されていることから、現職を早く辞めたい意思がとても強いことが推測できます。そのような方は採用担当者から「CRAを志望する理由が明確でない」「職場での困難な状況を乗り越える力に欠けている」と判断されやすくなります。

以上の点を踏まえ、CRA未経験者の求人へ応募する前に、自己分析をしっかりと行い、「1）明確な志望理由」と「4）高い定着性の証明」の双方を備えているかを冷静に考えてみることをお勧めいたします。


以下の記事も参考にしてください。
https://cra-bank.com/cranoqa#b76
（転職回数が多いです。未経験からCRA（臨床開発モニター）へ転職できますか？）
https://crc-bank.com/crcnoqa#b10
（転職回数が多いです。治験コーディネーター（CRC）へ転職できますか？）

転職経験があること自体が、必ずしもCRAの採用率を下げるとは限りません。 しかし、転職の回数や理由、在籍期間によっては、採用選考で慎重に見られる可能性があります。

転職経験について採用担当者が注目する点

転職回数と在籍期間:
◆一般的に、短期間（例えば1年未満）での転職を繰り返している場合は、「すぐに辞めてしまうのではないか」という懸念を持たれやすくなります。
◆今回のケースでは、新卒から2年目での初めての転職活動（あるいは、別の薬剤師職への転職を挟んだとしても2回目の転職）となるため、回数自体が決定的に不利になる可能性は低いと考えられます。

転職理由:
◆採用担当者は、「なぜ前の職場を辞めたのか」「なぜCRAになりたいのか」という理由を重視します。
◆ネガティブな理由（人間関係の不満、仕事への不満など）ばかりを述べてしまうと、同じ理由でまた辞めてしまうのではないか、という印象を与えかねません。
◆ポジティブな理由（CRAとして専門性を高めたい、新薬開発に貢献したい、薬剤師経験を活かしてキャリアアップしたいなど）を明確に伝えられることが重要です。

一貫性のあるキャリアプラン:
◆これまでの経験（病院薬剤師）と、今後の希望（CRA）を結びつけ、なぜCRAというキャリアを選んだのかを具体的に説明できると説得力が増します。

今回のケースについて

現在の病院薬剤師としての経験は、CRAの業務において以下のような点で強みになります。

◆医薬品に関する知識: 治験薬を含む医薬品の知識は必須です。
◆医療現場の理解: 病院の仕組みや医師、看護師など医療スタッフとの関わり方を理解していることは大きなアドバンテージです。
◆コミュニケーション能力: 医療従事者との円滑なコミュニケーション経験はCRA業務に直結します。

したがって、「病院薬剤師として2年間勤務した経験を活かし、より専門的な立場で新薬開発に貢献したい」 といった前向きな理由をしっかりと伝えることができれば、転職経験が不利になることは少ないでしょう。

今後の選択肢について

1. 現職で働きながらCRAを目指す:
   ◆メリット: 職歴にブランクがなく、経済的な安定も保たれます。CRAの選考で最も一般的なパターンです。
   ◆デメリット: 現在の職場環境が精神的に辛い場合、働きながらの転職活動は負担が大きい可能性があります。
   
   
2. 別の薬剤師職に転職してからCRAを目指す:
   ◆メリット: 現在の職場環境から離れ、精神的な負担を軽減できます。新しい環境で働きながら、改めてCRAへの転職準備を進められます。
   ◆デメリット: 短期間での再転職となるため、面接時にその理由を明確に説明する必要があります。「現職が合わなかったから」という理由だけでなく、「CRAになるという目標に向けて、一時的に環境を変える必要があった」など、前向きな説明が求められます。採用担当者によっては、計画性のなさや忍耐力の不足と捉える可能性もゼロではありません。
   
   

アドバイス

◆まずはCRAへの応募準備を: 自己分析（なぜCRAか、なぜ今の職場を辞めたいか）、企業研究、応募書類の作成などを進めましょう。具体的な行動を起こすことで、考えが整理されたり、新たな視点が見えたりすることもあります。
◆転職理由の明確化: なぜ現職を辞めたいのか、そしてなぜCRAになりたいのかを深く掘り下げ、ポジティブな言葉で説明できるように準備してください。これが最も重要です。
◆情報収集: CRA経験者の話を聞いたり、CRAばんくに相談したりするのも有効です。客観的な意見を得られる可能性があります。
◆応募のタイミング: 希望通り来年4月入社を目指すのであれば、今年の秋頃から情報収集や準備を始め、12月頃までに応募するのが一般的なスケジュール感です。

結論として、現職で働き続けるのが精神的に困難な状況であれば、別の薬剤師職への転職も選択肢の一つです。ただし、その場合でもCRAへのキャリアプランに一貫性を持たせ、転職理由を前向きに説明できるように準備することが重要になります。

焦らず、ご自身のキャリアプランと心身の健康を第一に考え、最適な道を選んでください。

現職継続 vs. 別職場への転職：CRA採用への影響