CRA未経験の転職先は受託型か派遣型か？

CRA未経験の場合、長期的なキャリア形成やCRAとしてのスキルアップを重視するのであれば、受託型CROの方がおすすめです。ただし、すぐにでもCRAとして経験を積みたい、製薬会社の雰囲気を知りたいといった希望がある場合は、派遣型CROも選択肢の一つとなります。

以下に、受託型CROと派遣型CROの違い、それぞれのメリット・デメリット、未経験者の場合の選択ポイントなどを詳しく説明します。

受託型CRO

受託型CROは、製薬会社から治験業務を包括的に受託し、自社の社員（CRA）が治験業務を行います。CRAはCROの社員として、様々なプロジェクトに携わります。

◆ メリット:
◆ 充実した教育・研修制度: 未経験者向けの研修プログラムが充実していることが多く、CRAとしての基礎知識やスキルをしっかりと身につけることができます。
◆ 多様なプロジェクトへの参画機会: 様々な製薬会社のプロジェクトに携わることで、幅広い経験を積むことができます。
◆ キャリアパスが明確: CRO内でキャリアアップしていく道筋が明確に示されていることが多く、将来のキャリアプランを描きやすいです。
◆ 安定した雇用: 正社員として雇用されるため、雇用が安定しています。
◆ 福利厚生が充実: 一般的に、福利厚生が充実している傾向があります。

◆ デメリット:
◆ 派遣型に比べて、最初のうちは給与水準が低い傾向があります。
◆ 希望する疾患領域の治験に必ず携われるとは限りません。

派遣型CRO

派遣型CRO（または派遣会社）は、製薬会社や受託型CROにCRAを派遣し、派遣先企業の指示に基づいて業務を行います。CRAは派遣会社の社員として、派遣先で業務を行います。

◆ メリット:
◆ 比較的早くCRA経験を積める: 未経験でもCRAとして採用される可能性があり、比較的早く実務経験を積むことができます。
◆ 製薬会社の雰囲気を知ることができる: 製薬会社のオフィスで働くことで、製薬会社の文化や働き方を体験することができます。
◆ 希望する業務内容に携われる可能性がある: 派遣先によっては、希望する疾患領域や業務内容に特化した仕事に携われる可能性があります。

◆ デメリット:
◆ 教育・研修制度が不十分な場合がある: 受託型に比べて、教育・研修制度が不十分な場合があります。
◆ キャリアパスが不明確: 派遣期間満了後、次の派遣先が決まらない場合や、キャリアアップの道筋が不明確な場合があります。
◆ 雇用が不安定: 派遣契約は期間が決まっているため、雇用が不安定になる可能性があります。
◆ 福利厚生が劣る場合がある: 派遣会社によって異なりますが、福利厚生が正社員に比べて劣る場合があります。
◆ 業務範囲が限定的: 派遣先の業務の一部を担当することが多いため、治験全体を俯瞰する視点を持ちにくい場合があります。

未経験者の場合の選択ポイント

CRA未経験の場合、以下の点を考慮して、どちらの形態を選ぶか判断すると良いでしょう。

◆ 長期的なキャリアプラン: 将来的にCRAとしてどのようなキャリアを築きたいのかを考えましょう。専門性を高めたい、マネジメント職を目指したいなど、明確なキャリアプランがある場合は、教育・研修制度が充実している受託型CROがおすすめです。
◆ スキルアップへの意欲: 未経験からCRAとして成長するためには、自主的な学習意欲が重要です。教育・研修制度が不十分な派遣型を選ぶ場合は、自身で積極的に学習していく必要があります。
◆ 早期に実務経験を積みたいかどうか: 早くCRAとして経験を積みたいという強い希望がある場合は、派遣型も選択肢の一つとなります。ただし、その後のキャリアパスについては、しっかりと考えておく必要があります。
◆ 経済的な安定: 雇用や収入の安定を重視する場合は、受託型CROがおすすめです。

薬剤師経験を活かす

薬剤師としての経験は、CRCとCRAの両方で活かすことができます。特に、薬に関する専門知識、患者さんへの服薬指導経験、医療現場の知識などは、治験業務に役立ちます。

まとめ

CRA未経験の場合、長期的なキャリア形成やCRAとしてのスキルアップを重視するのであれば、受託型CROの方がおすすめです。ただし、すぐにでもCRAとして経験を積みたい、製薬会社の雰囲気を知りたいといった希望がある場合は、派遣型CROも選択肢の一つとなります。ご自身のキャリアプラン、重視する価値観、適性などを考慮し、最適な選択をすることをお勧めします。